2014年6月21日土曜日

『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』

『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』
大沢在昌・石田衣良・今野 敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂 剛・東野圭吾 著
解説:西上心太
原作:秋本治
監修:日本推理作家協会
2007.5.30 第1刷 (集英社)

※読了日 2009/08/25



小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所
秋本 治 日本推理作家協会

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「こち亀」30周年記念作品

長寿漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』 (秋本治・集英社)
2007年、同作品の連載30周年記念および日本推理作家協会設立60周年を記念し連載されたものが単行本化したのが『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』です。

実写ドラマ化でも話題(?)になっていた「こち亀」。
その新たな可能性を秘めた、この作家陣による小説化!

日本推理作家協会所属の小説家7名が寄稿しています。
大沢在昌、逢坂剛、今野敏、東野圭吾、石田衣良、京極夏彦、柴田よしき。
豪華ですね。


ギャグ漫画とミステリー、各作品とのコラボレーション

「こち亀」の世界に、各作家の作品世界を持ち込んでいます。

大沢在昌「幼な馴染み」……『新宿鮫』シリーズ
逢坂剛「決闘、二対三!の巻」……御茶ノ水警察署シリーズ
今野敏「キング・タイガー」……コラボなし
東野圭吾「目指せ乱歩賞!」……コラボなし
石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」……『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ
京極夏彦「ぬらりひょんの褌」……『どすこい』南極夏彦
柴田よしき「一杯の賭け蕎麦」……花咲慎一郎シリーズ



7作品のなかで今野敏、東野圭吾、京極夏彦作品が面白かったです。

今野敏「キング・タイガー」
プラモデルの話、両さんの趣味と相まっていい設定だと思いました。
両さんの登場は少ないけれどその登場がぐっときます。


東野圭吾「目指せ乱歩賞!」
ハチャメチャな両さんらしさがよく出ています。
タイトル通り、両さんが乱歩賞を目指して創作に明け暮れます。




京極夏彦「ぬらりひょんの褌」
南極さんに驚きました。
(本作を読んだ当時)巷説シリーズしか読んでいませんでした。いろんなものを書いてらっしゃるのですね。
コラボ作で双方の世界観が違和感なく混ざり合っています!妖怪!!
巧みですね。
「京極堂」もちらりと。


どすこい(仮)どすこい(仮)
京極 夏彦

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装丁は黒地に白と赤と灰色の文字で「ミステリー」という雰囲気を醸しだしているようです。どこかおどろおどろしい字体にも思えます。

異色とも思えるコラボレーション。
読んでみてこういう楽しみ方は好きかも、と思わされました。
「こち亀」ファンも作家陣のファンの方もにやりとする作品ではないでしょうか。

実写ドラマ化については知りませんが漫画とアニメは昔少し目にしたことがあります。
休載なしで30年以上の連載……すごい作家であり、作品であります。


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